植物 > 被子植物 > オモダカ目 > サトイモ科 > テンナンショウ属
分布1,2):山口県、九州。日本固有種。
山口県と九州に分布するテンナンショウの仲間。仏炎苞に入る美しい模様が特徴的である。付属体は長く伸びるが、ウラシマソウよりは短い。シカの忌避植物で、ほぼ裸地と化したような食害の激しい場所でも見られる。
ヒメウラシマソウの概要
花期2) | : | 5月ごろ。 |
希少度 | : | ★★★(やや稀) |
生活形 | : | 多年草 |
生育環境2) | : | 林下、主に斜面に生える |
学名 | : | kiushianum「九州の」 |
ヒメウラシマソウの形態
花
花序は地際につき、付属体は先が糸状となり長く伸びる。
仏炎苞には特徴的な筋状の斑紋が入り美しい。
口部は耳状に張り出す。
舷部内面には白いT字状の斑紋が目立つ。
付属体は基部でやや太く、先は糸状となりウラシマソウほどではないが長く伸びる。
葉
葉は1個で鳥足状に分裂する3)。
小葉は7~13枚と、ウラシマソウやナンゴクウラシマソウより少ない2)。
小葉は中央のものが最も大きく、外側で急に小さくなるのも特徴2)。
ウラシマソウと同様、球茎には小イモを生じ群生する2)。
果実
果実は11月ごろ熟す2)。
識別
ウラシマソウ、ナンゴクウラシマソウは小葉の枚数が多く、花序の色彩が異なる。
花があれば迷うことはないが、葉にも違いがある。
詳細はウラシマソウのページを参照。
ヒメウラシマソウの生態
性転換
テンナンショウ属の多くの種と同様、雌雄偽異株。
すなわち小さいときは雄株で、年数を経て大きくなると雌株となる。
分類
ウラシマソウのページを参照。
文献
1)大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司(編) 2015.『改訂新版 日本の野生植物 1 ソテツ科~カヤツリグサ科』平凡社.
2)邑田仁・大野順一・小林禧樹・東馬哲雄 2018. 『日本産テンナンショウ属図鑑』北隆館.
3)門田裕一・永田芳男・畔上能力 2013. 『山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花 増補改訂新版』山と溪谷社.
編集履歴
2024/12/9 公開