ツガ属の概要
常緑高木。
葉の基部に葉枕とよばれる膨らみがある。球果は年内に熟し、下向きにつく。葉は先が尖らず、裏面に2本の白い気孔帯がある。
世界に約10種1)、日本には2種が分布する。
掲載種一覧(アイウエオ順)
日本産ツガ属一覧
2種が分布する。種の学名はIto et al.(2016)2)による。
識別【ツガとコメツガの見わけかた】
よく似るが、葉の長さ、出現する標高が異なる。
より正確には若枝の毛の有無、球果の大きさを確認するとよい。
ツガ | コメツガ | |
---|---|---|
葉の長さ | 長い | 短い |
樹皮 | 灰赤褐色 | 灰褐色 |
若枝 | 無毛 | 微毛が生える |
球果 | 長さ約2.5㎝ | 長さ1.5-2.0㎝ |
果柄 | 曲がる | あまり曲がらない |
冬芽 | 先が尖る | 先は丸い |
標高 | 2000m程度まで | 800-3000m程度 |
ツガ
コメツガよりも葉が長く、10-20㎜程度。若枝は無毛。球果(松ぼっくり)はコメツガより大きい。より低標高地で見られる。本州~九州に分布する。
コメツガ
ツガよりも葉が短く、長さ5-15㎜程度。若枝には毛が生える(拡大しないと分かりづらい)。球果はツガより小さい。より高標高地で見られる。本州~九州に分布する。
文献
1)大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司(編)2015.『改訂新版 日本の野生植物 1 ソテツ科~カヤツリグサ科』平凡社.
2)Ito, M., Nagamasu, H., Fujii, S., Katsuyama, T., Yonekura, Ebihara, A., Yahara, T. 2016. GreenList ver. 1.01, (http://www.rdplants.org/gl/)
編集履歴
2021/7/1 公開
2021/10/31 識別の項目を追加