昆虫 > トンボ目 > ハナダカトンボ科 > ハナダカトンボ属
分布1,2):西表島。日本固有種。
暗い渓流に生息する特異な体型のトンボ。その名の通り、前額が鼻のように突き出している。西表島の固有種で、国内にはもう1種、よく似たハナダカトンボが小笠原諸島に分布している。
ヤエヤマハナダカトンボの概要
出現時期3) | : | 5月中旬-11月下旬。 |
希少度 | : | ★★★(やや稀) |
全長1) | : | オス34-38㎜、メス29-33㎜ |
生息環境2,3) | : | 山間の森林に覆われた陰湿な渓流。コナカハグロトンボと同様の環境で見られる。 |
ヤエヤマハナダカトンボの形態
オス
和名の通り、前額が天狗のように突き出す。
メスも同様である。
オス(同一個体)。
メスはオスよりも腹部が太い。
識別
前額の突き出る点や、独特な体つきが特徴的で見分けやすい。
同所的に似た種はいない。
小笠原に分布する近縁のハナダカトンボは、オスの後翅先端が明らかに褐色。
生態
繁殖行動
オスは木漏れ日の差す枝先や石の上などに静止して縄張りを持つ1,3)。
メスは普段は樹上にいて、交尾は主に夕方行われる1)。
メスは単独で水際の朽木などに産卵する1)。
幼虫期
幼虫は緩やかな流れの場所で、植物の根際などに潜んで生活している2)。
文献
1)尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2021. 『日本のトンボ 改訂版』文一総合出版.
2)川合禎次・谷田一三 2018. 『日本産水生昆虫 第二版: 科・属・種への検索』東海大学出版部.
3)尾園暁・渡辺賢一・焼田理一郎・小浜継雄 2007. 『沖縄のトンボ図鑑』いかだ社.
編集履歴
2024/3/6 公開