昆虫 > トンボ目 > アオイトトンボ科 > アオイトトンボ属
分布1,2):北海道(やや局所的)。国外では朝鮮半島、中国、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ。
日本では北海道でのみ見られるアオイトトンボの仲間。ヨーロッパから北米まで北半球に広く分布する。アオイトトンボと同所的に見られるため紛らわしいが、細部を確認すれば識別が可能である。
エゾアオイトトンボの概要
出現時期1,2) | : | 初夏~秋。卵越冬。 |
希少度 | : | ★★★(やや稀) |
全長1) | : | オス36-40㎜、メス34-38㎜ |
生息環境1,2) | : | 平地~山地の樹林に囲まれた抽水植物の繁茂する池沼。やや暗い場所。 |
産卵1,2) | : | 主に連結、ときに単独。アオイトトンボより表皮の硬い植物を好む。 |
エゾアオイトトンボの形態
オス
オスは成熟すると複眼が青くなり、体に青白い粉を吹く。
同所的に分布するアオイトトンボと極めてよく似ており、遠目には識別が困難。
なお、未熟個体はメスに似た体色である。
同じ個体。
アオイトトンボとは尾部下付属器の形状で識別する。
腹部先端を上から撮影しておけば識別可能である。
下付属器(内側に見える1対の突起状のもの)の先端が丸みを帯び、内側にやや曲がっているのが本種。
アオイトトンボでは下付属器が直線状になる。
メス
メスは成熟しても胸部に白い粉を吹かず、アオイトトンボに見られるような多型はない。
一方のアオイトトンボのメスには白い粉を吹く個体と吹かない個体がいる。
メスも遠目にはアオイトトンボと区別が困難であるが、横から見れば産卵管が腹端よりも長く突き出ることで識別できる。
識別
北海道には同属のアオイトトンボとオオアオイトトンボが分布し、特にアオイトトンボとよく似る。
識別方法についてはアオイトトンボ属の見わけかたのページを参照。
文献
1)尾園暁・川島逸郎・二橋亮 2021. 『日本のトンボ 改訂版』文一総合出版.
2)広瀬良宏・横山透・伊藤智 2007. 『北海道のトンボ図鑑』いかだ社.
編集履歴
2023/11/19 公開