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暖温帯~亜熱帯の低地でふつうに見られるクスノキの仲間。栽培されるニッケイに似るが、ニッケイほど香りは強くない。シロダモに似ているが、葉が枝先に集まらないことや、枝が明るい緑色であることなどで区別できる。
ヤブニッケイの概要

花期1) | : | 6月 |
希少度 | : | ★★(普通) |
生活形 | : | 常緑高木 |
大きさ2) | : | 高さ10-20m |
生育環境2) | : | 沿海~低山の林内や林縁 |
学名 | : | yabunikkei:「ヤブニッケイ」 |
ヤブニッケイの形態
葉
果実
樹形
ヤブニッケイの虫こぶ(虫えい)
ニッケイハミャクイボフシ
ヤブニッケイ黒穂病菌えい
ヤブニッケイ黒穂病菌Clinoconidium onumaeによって形成される菌えい6)。
展葉前の若いシュート(茎と葉)が肥大する。
頻度は高くないが本州~琉球まで確認され、ケシキスイ科やチビキカワムシ科などの昆虫類が集まることで知られる6,7)。
識別
クスノキ科の他種にやや似たものがあるが、本種は葉の並び方が独特で慣れれば迷うことはなくなる。
とくにシロダモとはよく混生するため注意。
ヤブニッケイ(本種)は葉が枝先に集まってつくことはなく、枝は明るい緑色。葉先はあまり尖らない。
クスノキは葉が卵形でふつう先が細く尖り、縁が波打つ。成葉の脈腋にダニ室がある。
シロダモは葉が細長く先が尖り、枝先に集まってつく。
イヌガシはシロダモを小さくしたような葉が枝先に集まってつく。
ニッケイは葉が細長く整った形で、ちぎるとシナモンのような強い香りがある。自生は稀。
ヤブニッケイの近縁種
台湾に分布するタイワンヤブニッケイC. insulari-montanumはヤブニッケイのシノニムとされることもある1)。
小笠原諸島にはよく似たコヤブニッケイ(オガサワラヤブニッケイ)が分布する。
文献
1)大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司(編) 2015.『改訂新版 日本の野生植物 1 ソテツ科~カヤツリグサ科』平凡社.
2)林将之 2014.『山渓ハンディ図鑑14 樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類』山と渓谷社.
3)林将之 2016. 『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版.
4)琉球の植物研究グループ 国立科学博物館 2018-.『琉球の植物データベース』 https://www.kahaku.go.jp/research/activities/project/hotspot_japan/ryukyus/db/ 2022/12/3閲覧.
5)湯川淳一・桝田長 1996. 『日本原色虫えい図鑑』全国農村教育協会.
6)糟谷大河, 浪川真奈 2018. 千葉県におけるヤブニッケイ黒穂病菌Clinoconidium onumaeの分布. 千葉科学大学紀要 11:57-62.
7)吉富博之 2017. ヤブニッケイ黒穂病菌癭に集まる昆虫. さやばねニューシリーズ 25:28-30.
編集履歴
2022/12/4 公開