植物 > 被子植物 > アウストロバイレヤ目 > マツブサ科 > マツブサ属
分布1):北海道(南部)、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島南部。
山地の林縁などに見られるつる性木本で、落葉樹だが常緑樹に近い葉色、光沢をもつ。シキミやサネカズラなどと近縁である。
マツブサの概要
花期1) | : | 5-7月 |
希少度 | : | ★★★(やや稀) |
生活形 | : | 落葉性のつる性木本 |
生育環境2) | : | 温帯の丘陵~山地の林縁や林内 |
学名3) | : | repandus「波状縁の」 |
マツブサの形態
葉
葉は互生し、葉身は長さ4-10㎝2)。
落葉樹だが葉色は濃く、やや光沢がある。
鋸歯があるが低く、あまり目立たない。
この写真よりもう少し縦に長い葉もある。
葉裏は葉脈が目立つ。
葉柄は時に赤みを帯びる2)。
黄葉
秋には黄色く黄葉する。
林縁でよく見られる。
識別
落葉性のつる性木本の中では葉の形や鋸歯の様子、質感が独特であり、慣れれば特に識別に悩むことはない。
同じマツブサ属のチョウセンゴミシは北海道~中部地方のより冷涼な地域に分布する。葉の形はやや似るが、葉身は先寄りで幅広くなる(倒卵形)。葉の質は薄く、葉脈がくぼんで目立つ。
同じマツブサ科のサネカズラは常緑樹で、葉はより大きく細長い。マツブサの果実(集合果)は房状だが、サネカズラの果実は球状。
ニシキギ科のツルウメモドキは鋸歯がより細かく、葉の表面にしわが目立つ。
ウコギ科のキヅタは常緑樹で葉の表面に光沢があり、葉柄は細く、葉身はしばしば3-5裂する。
マツブサの種内変異
葉裏が白みを帯びるものを品種ウラジロマツブサf. discolorという。
文献
1)大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司(編)2015.『改訂新版 日本の野生植物 1 ソテツ科~カヤツリグサ科』平凡社.
2)林将之 2014.『山渓ハンディ図鑑14 樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類』山と渓谷社.
3)Lorraine Harrison 2012. Latin for gardeners. Quid Publishing. (ロレイン・ハリソン 上原ゆう子(訳) 2014. 『ヴィジュアル版 植物ラテン語辞典』原書房.
編集履歴
2021/7/16 公開