植物 > 裸子植物 > イチョウ目 > イチョウ科 > イチョウ属
分布(1:外来種。中国(浙江省西天目山、重慶特別市金仏山)に自生するとされる。
美しい黄葉がよく知られている裸子植物の一種。イチョウの仲間の現生種は世界に1種だけで、中国にのみ自生しているとされる。世界中で街路樹などとして植栽される。
概要
花期(1 | : | 4-5月 |
希少度 | : | ★(栽培:ごく普通) |
大きさ(1 | : | 大きいもので高さ45m、幹径5m |
生活形(1 | : | 落葉高木 |
生育環境(1 | : | 街路樹のほか、庭、公園、神社、寺院などに植えられる。 |
和名(3 | : | 中国語の鴨脚(ヤーチャオ)から由来したという説がある。 |
学名(4 | : | bilobus「2裂片の」 |
識別
葉は扇形で葉脈が二叉分岐し、非常に特徴的で類似種はない。冬は葉が落ちるが、枝に短枝が多いのが特徴的。冬は枝の様子がカラマツとやや似るが、イチョウの樹皮がコルク質が発達して縦長の網目状に裂けるのに対し、カラマツの樹皮は粗く裂けはがれる(5。
形態
葉
葉
長枝ではらせん状に互生、短枝では束生する。扇形で幅5-7㎝、薄い革質で無毛、上縁は波状で中央部は浅くあるいは深く切れ込む。葉脈は二叉分岐して平行脈となり上縁に達する(1。
若い個体や徒長枝ほど切れ込みがよく入り、深裂する葉や、複数の切れ込みが入る葉もある。剪定されていない老木では、切れ込みのない葉が多い(6。
枝
枝
冬は短枝がよく目立つ。
花
雄花(1
雌雄異株。尾状花序状で長さ2㎝内外。
雌花(1
柄を含めて長さ2-3㎝。
属名Ginkgoについて
リンネがイチョウを記載した際に引用したドイツ人医師ケンペルのスケッチにおいて、Ginkjo(ギンキョウ:銀杏)とすべきところがGinkgoとされていたとみられ、ケンペルの誤植によって本種の属名がGinkgoとなったという説が有力である(7。
文献
1)大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司(編) 2015.『改訂新版 日本の野生植物 1 ソテツ科~カヤツリグサ科』平凡社.
2)Stevens, P. F. (2001 onwards). Angiosperm Phylogeny Website. Version 14, July 2017 [and more or less continuously updated since]. http://www.mobot.org/MOBOT/research/APweb/. 2021年2月1日閲覧.
3)柴田松太郎 2003. 銀杏(イチョウ)の語源:研究の歴史と現状. 地学教育と科学運動 43, 33-40.
4)Lorraine Harrison 2012. Latin for gardeners. Quid Publishing. (ロレイン・ハリソン 上原ゆう子(訳) 2014. 『ヴィジュアル版 植物ラテン語辞典』原書房.
5)鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文(著) 2014. 『ネイチャーウォッチングガイドブック 四季を通じて樹木を観察する 431種 樹皮と冬芽』誠文堂新光社.
6)林将之 2014.『山渓ハンディ図鑑14 樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類』山と渓谷社.
7)柴田松太郎 1997. 銀杏の属名Ginkgoについての一考察. 地球科学 51, 371-376.
編集履歴
2021/7/1 公開