ハゴロモモ(フサジュンサイ) Cabomba caroliniana

植物 > 被子植物 > スイレン目 > ジュンサイ科 > ハゴロモモ属

大阪府 2015/9/6
※分布図は目安です。

分布:外来種。北アメリカ南東部原産。本州~九州の全県に定着2)。北海道では1ヶ所でのみ確認3)。沖縄では未定着4)

いわゆる金魚藻として水槽用に持ち込まれ、国内の広い範囲に定着した外来の水草。侵入地では一面を埋め尽くすように繁茂する姿がよく見られる。葉には沈水葉と浮葉の2形がある。

ハゴロモモの概要

花期1)7-10月
定着レベル★★★★(普通に見られる)
生活形多年生の沈水植物
生育環境1)湖沼やため池、河川や水路

ハゴロモモの形態

全体

大阪府 2015/9/6

水底に根を張り、通常の葉は水中にある(沈水植物)。

大阪府 2015/9/6

侵入地ではしばしば大群生し、一帯を埋め尽くすまでになる。

大阪府 2015/9/6

沈水葉は対生し、糸状に細かく裂ける。
また、花の時期にのみ小さな浮葉が生じる(「花」の項参照)。

大阪府 2015/9/6

葉身の基部は5つに分かれるのが標準。
この画像では対生するもう片方の葉が失われている。

大阪府 2015/9/6

花は白色で、ジュンサイと同じく1日目に雌性期、2日目に雄性期となる雌性先熟。

また、花の時期には通常の葉とは異なる浮葉が生じる。
浮葉は小さく、葉柄は盾状につき、ジュンサイとの類縁性を感じさせる見た目をしている。

大阪府 2015/9/6

群生地では花が水面を覆いつくすようになることがある。

識別

国内に自生、または定着している水草で、葉が対生し細かく裂ける種はハゴロモモのみである。

そのため見分けは難しくない。

キクモやフサモ属、マツモなどと草姿がやや似るが、これらは葉がより多く輪生する。

文献

1)角野康郎 2014. 『ネイチャーガイド 日本の水草』文一総合出版.
2)国立研究開発法人 国立環境研究所 『侵入生物データベース』https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/index.html. 2021/7/4閲覧.
3)北海道環境生活部環境局 自然環境課 特定生物グループ『北海道ブルーリスト2010 北海道外来種データベース』http://bluelist.pref.hokkaido.lg.jp/. 2021/7/4閲覧.
4)沖縄県 2018. 『沖縄県対策外来種リスト』https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/shizen/hogo/taisakugairaisyu-list.html. 2021/7/4閲覧.

編集履歴

2021/7/4 公開